バラバ・イエス[編集]

新共同訳、フランシスコ会訳聖書などでは「バラバ・イエス」(マタイ27:16-17)と訳されている。

イエス・キリストとは同じイエスという名前であったことになる。本文批評学上は、イエスの名前がバラバと同じであることに対する不快感から「バラバ・イエス」の、「イエス」を意図的に取り除いたとしている。

原典に「イエス」の言葉がないのに書き写したクリスチャンが付け加えるということはありえがたいことであるからである。さらに、「イエス」とはありふれた名前であり、少しも不自然ではない。

「バラバ」とは「アッバスの子」を意味するが、アラム語の発音での「バラバ・イエス」は「御父(アバ)の御子(イエス)」に非常によく似ている。

同じイエスという名を持った2人の人物がいるなら、「どちらのイエスの釈放を望んでいるのか? アッバスの子のイエスか? それとも、自称メシヤのイエスか?」という読み方ができる。