ある子供の亡者は、母親に溺愛されていたが事故で死んでしまい、母を想って亡者となる

気落ちした母は正気を失い奇行に走る毎日、夫は悲しみを抑えつつ妻の面倒を看取った
そんなある日、少年の前に子供の亡者が現れ、気落ちしてる母を慰めて元気づけるよう
願いでたが、少年は嫌々ながらその願いを適用に請け負う。しかし亡者の母親は一向に
様子が変わることなく、庭のタンポポを死んだ我が子のように話し掛けておった

そこで少年は面倒臭くなり、そのタンポポをぜんぶ引き抜いて足で踏み潰してしまう
それを見た亡者の母親は、なおさら悲しみに暮れ、ますます気落ちしていき
その夫からも叱られて追い出されそうになるが、亡者がとっさに少年に取り憑いて
母親に少年の掌を見せる。そこには「宝物」という2文字が書かれていた

それは子供の亡者が生きている頃、母親が出掛ける時によく掌に書いてくれた2文字で
母親の一番の宝物は、その子供の亡者であるという想いが込められていた

母親はそれを見た瞬間に、少年を抱きしめ、正気を取り戻し、少年の話しを聞く
それは少年の言葉ではなく、子供の亡者の言葉だった。「お母さん、今までありがとう
僕は死んでも元気だよ。だからお母さんも元気でいて欲しい。心配で天国に行けない」

母親はその言葉を聞いて、前向きに生きれるようになり、一件落着
少年は、しつこく願いにくる子供の亡者から解放された