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> 光輝く衣を着ているものと考えられていた。(当時のギリシア人の思想では)

市川喜一 著作集  総目次
 パウロによるキリストの福音 目次
  パウロによるキリストの福音 II-7
http://www.tenryo.net/old/paul_2-7.htm#6

パウロによるキリストの福音 II
 第七章 死者の復活
  ― コリントの信徒への手紙 I ―
続いて、「しかし、天上の体と地上の体があります」と言って、
体に違いがあることが、地上だけでなく、天上にまで広げられます。
「天上の体」というのは、わたしたち現代人には分かりにくい表現ですが、
当時の宇宙観では、天体は光の衣を着ている生命体と考えられていたのです。
そして、「天上の体の輝きと地上の体の輝き」とが異なっていることが指摘されます。
これは、「輝き《ドクサ》」という点では、
天上の体は地上の体にはるかに勝っているということでしょう。
地上の体は輝きを発していませんが、天上の体は自ら輝きを発しています。
それだけでなく、「太陽の輝き、月の輝き、星の輝きがあって、それぞれ違いますし、
星と星との間の輝きにも違いがあります」と言って、
天上の体にも輝きの違いがあることが強調されます。
 
 このように、体の「輝き《ドクサ》」に違いがあることが強調されるのは、
すぐに続いて(四三節)、この自然界の事実との類比で、
「栄光《ドクサ》」では地上の体とは異なる復活の体のことを語るためです。