【虚業教団】高橋信次はなぜ大川陸法に霊言したのか​
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この話を聞いて、私は暗澹たる気持ちになった。

大川の霊言集を読み、中原はそこに亡き高橋信次の思想と通い合うものを感じたらしい。

これは決して不思議ではない。

父親の善川三朗が高橋の影響を受けていたし、本人も最初の霊的体験は『心の発見』を読んでいる最中だったと書いている。

霊言集の中にGLAの元信者が、今は亡き教祖と似たものを感じたとしても少しもおかしくない。

そこで中原は「大川隆法というこの霊能力者になら、信次先生の霊が降りるかもしれない」と考えたのである。

歴史に〔もし〕はないという。

しかし、敢えて問おう。

もし中原がそんなふうに考えなかったら、はたして〈幸福の科学〉は生まれただろうか。

亡き高橋の面影を求めて、中原は霊言集の出版元である潮文社を訪ねていく。

何度目かに訪ねたとき、ちょうど『孔子の霊言』の出版のため大川が上京してきていた。

「信次先生のご逝去以来、ようやくの思いで真に心の師となる人を見つけた」

〈幸福の科学〉の発足前後に、中原はよくそう言っていた。

中原幸枝とのこの出会いが、大川隆法に『高橋信次霊言集』を書かせたと私は推測している。

なぜなら潮文社から最後に出たこの霊言集は、それまでの七冊とはあまりにも違っているからである。

まず善川というインタビュアーがいなくなり、大川の……いや霊の独自に変わった。