男性2人が殺害された現場付近を調べる捜査員たち=2019年6月25日午前1時18分、名古屋市北区西味鋺1丁目、川津陽一撮影

 名古屋市北区西味鋺(あじま)1丁目の路上で24日夜、ビルメンテナンス会社の同僚で、近くに住む赤松英司さん(41)と、小笠原智之さん(44)=愛知県大府市若草町3丁目=が、男に腹や胸などをナイフで刺された。2人は病院に搬送されたが間もなく死亡した。
愛知県警は25日未明、現場近くに住む無職の佐藤俊彦容疑者(38)を殺人容疑で緊急逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 北署によると、佐藤容疑者は24日午後10時半ごろ、名古屋市北区西味鋺1丁目の路上で、小笠原さんの胸などをナイフで数回突き刺して殺害した疑いがある。県警は今後、赤松さん殺害の経緯についても事情を聴く。

 捜査関係者や近隣住民によると、事件当時、赤松さんと小笠原さんは車に同乗して帰宅途中だったとみられる。自宅付近で赤松さんが降車後、佐藤容疑者を大声で呼び出し、3人で口論となり、激しくもみあうなどしていたという。
佐藤容疑者と赤松さんの間には、以前から何らかのトラブルがあったとみられ、県警は経緯を調べている。

 現場近くのマンションに住む女性は「外で音がしたので確認したら、男性2人が大声を出しながらもみあい、別の男性1人が地面に倒れていた」と話した。

 現場は、名古屋高速楠ジャンクションから南東へ約800メートルで、住宅や工場が立ち並ぶ地域。事件から一夜明けた25日朝、現場近くの小学校では児童の集団登校に教職員が付き添ったという。

■「昨日まで普通に仕事を…」被害者の同僚

 名古屋市北区の路上で24日夜、会社員2人が刺殺された事件で、亡くなった赤松英司さん(41)=名古屋市北区=と小笠原智之さん(44)=愛知県大府市=は、名古屋市内に事務所があるビルメンテナンス会社に勤め、ビルの修繕や点検を担っていたという。

 同じ会社の男性(46)は取材に「言葉がない。昨日まで2人とも普通に仕事をしていたのに……。事件に巻き込まれるような人たちではない」と語った。赤松さんは真面目で明るく、配属先ではムードメーカーだったという。