モーセの十戒は、困難に遭って苦労された民族が代々培った諸原則を
モーセという類い稀なリーダーの仮託したもので、内容が優れている。
諸原則は他人を蔑ろにしないという愛の精神の結晶だから
連綿と大切にされてきたわけだ。

古代イスラエルにあっては、そこに神の権威を必要としたかもなのだが
そもそも十戒それ自体がすばらしいのだ。

さてモーセの物語が本当だとすれば、モーセは神の命令を偶像化している
偶像化が悪な理由は神聖なる品をモノ化して個人が独占する点にある。
なぜモーセ一人が神の声を聴けたのか
なぜモーセに諸命令を石板に書かせたのか。あるいは神が直接書いたのか。
それは割ったり、失くしたり、壊せたりする石板なのだ。