(深見東州は)今、話題の教祖たちをどう見ているのだろう。
 「麻原さんは、それなりに優れた人ですし、パフォーマンスも面白いなとは思いますけど、いかんせん事を起こすのに年齢が若すぎたし、焦りと急ぎがあって、バックの組織も充分に整っていなかった。
 政界に進出するにしても、日本の政治の機構は数の論理であることを認識すれば、組織を充実、拡大してからでもよかったでしょうね。
 仏教にはおくわしいようですが、日本社会で自分に理想や信念を実現しようと思えば、もっと儒教の仁義礼知信、中と和の道の研鑽や実践がいるでしょうし、社会において寿命を長らえる、老壮の保身の法も学ばねばならないでしょうね。
 きっと未来のビジョンを見過ぎて、はやる気持ちが出すぎたのでしょう。気持ちは分かりますけど。」
 かつて、コスモメイトの研修所は、現在の椿邱から1キロほどはなれたマンションにあった。あるとき深見青山が、散歩の途中、旧研修所の近くを歩いていると、そのマンションから、異様な気が立ち上がっている。
いったい、誰が住んでいるのかと調べると、麻原彰晃であったという。
 「私たちがいた同じマンションに引っ越してくるとは、建物から出る清々しい妙気を、さすがは鋭敏にキャッチしたのだなと思い、感心しました。
 彼の前世を見ると、ドイツ人の黒魔術の導師であり、占星術師でもあり、バイオリンを奏した音楽家でありました。彼の論理性はドイツ的な知性の故でしょうね。
 今世は東洋に生まれ、天地一体の道を会得して、50代になれば、さかんに善行を施すようになるでしょう。その時点で、力強い宗教家になると思います。」