目立ちたがり屋の性格である。大学時代に通った亀岡の
大本教の本部担当者は、二十年以上も前の信者の一人に
すぎなかったはずの深見(当時は半田の名)のことを覚えていた。
「英語の論文で賞を取ったことも印象深いことの一つだが、
タレントにしてもいいようなユニークな青年だった」。
同志社のESS時代の深見を知っている人も
「モノマネが抜群に上手で、とにかく目立ちたがり屋だった。
その後も深見ではなく半田として付き合ったことがあるが、
動物でいえば擬態のような男だと思った。
相手に合わせて自分の色を変えていく、
そういう男じゃないのかな、彼は」という。

この証言を、先の宮司の言葉と照合すると、小さくて目立たず、
家庭の愛に飢えていたことの代償として、
モノマネ(ほんとうにタレントにしてよいくらいうまい)
などで人々の関心を集め、
集団の中で目立つ存在になりたかったのではないか。
今のイジメられっ子の処し方とよく似ている。
集団の中で人からよく思われようとすれば、
擬態を身につけなければならないのである。
調査した女性の分析によれば、
「大人になりきっていない子ども」ということになる。
食事では、好きなものだけを食い散らかし、
口のまわりはいつもベトベト。
大好きなのは森永のマミーと練乳ミルク。
別の女性も「子どもがそのまま大人になったよう」と分析する。

このように考えていくと、宮司の感想と同じくかわいそうな
男という気がするが、ところがなかなか抜け目のないところもある。
それは、三十鈴の常務を除けば、実質的な責任者にもかかわらず、
コスモメイトグループ関連の会社の役員にまったく名前を連ねていないことだ。