「兄弟も少なく大半が長男、長女。
昔のように人間関係で鍛えられることが少ないから、
ちょっとしたことで傷つきやすいのです。
それで、すぐに不幸だと思ってしまう」
ちょっと傷つけばすぐに不幸と感じ、
「こんなにうまくいかないのは、因縁のせいなのかしら」
という発想になる。「ちょっとした挫折であっても
今の若い人には自己回復力がなく、
それで自分以外の他を頼る傾向にあるのでは」
と分析するのは、この三月に辞めた三十代の女性会員である。

純粋に物事を考える反面、ちょっとしたことで不幸になり、
そして霊的なものに抵抗感がない。そうした人たちが、
深見青山の本を読めば、宗教に関心がない人、
はじめから猜疑心をもって読む人とは違った印象を
もってしまうのかもしれない。
取材した十九人のうち、他の宗教団体を経験した人は三人、
あとはコスモメイトが初めてという人ばかり。
共通するのは、コスモメイトが抹香くさい団体であったら
「会員になっていなかった」ということだ。

他の宗教団体のように、勧誘とか販売の強要は一切ない。
入会するのも簡単なら、脱会するのも自由。
青山塾や玉垣会といったサークル的な組織もあり、
本部のある西荻窪のビルに行けば、
いつも誰かいて自由に話すこともできる。
厳しい修行によってはじめて何かが得られるようなこともなく、
お金さえ払えば除霊してもらえ、
また深見青山先生に秘法を授けてもらえる。
若者の気分にマッチしているのである。