私のサイトにある「聖書講義」の一部を、紹介させていただきます。
http://www.kuwaei2000.com/Study/2015/2015.html

原始教会が "旧約聖書を自らの正典として受け入れた" と言うとき、その教会とは、イエス・キリストの出来事を旧約聖書が語って来た救済史における神の御業の頂点ないし完成として捉え、宣教している共同体でありました(ヘブ1:1-4)。
ですから、この福音の宣教から切り離しては、キリスト教会における正典というものの意味を正しく理解することは出来ないのです。

そこにあったのは、救済史は教会を通して地上で続行する、つまりキリストの受肉からその再臨までの教会の時は、救済史の一部であるという認識です。
それ故に第二世紀の教会が新約聖書の正典を、そこには使徒に由来する文書のみを採用するという配慮をもって創ったとき、それは旧約聖書と合わせて一つの正典となったのであって、決して独自に新しい別の正典が誕生したのではありませんでした。