いざとなったら徹底抗戦できるだけの武器を持ち、
アホにいびられても平気な顔をしてつけいる隙を与えない。アホとの消耗戦を避けるために、
覚えていてほしい原則だ。「3年間、自分を捨てておれの真似をしろ」と言われても、
はじめは途方に暮れるばかりでした。「自分を捨てろ」と言われても、どうしたらいいかさっぱりわからない。
結果、ひたすら毎日怒鳴られることになります。何か言っても「違う」。何かすると「そうではない」。
意味もわからないまま、とにかく怒られる。会議室を確保し、席順を決め、議事録を取ることが、
最初の仕事でした。「これから打ち合わせでは、席順、相手の肩書きや見た目、
その場で話されたことをすべて、具体的・映像的に書き残しなさい。ノートとペンを手放さないこと。
それを会議が終わったら読み返し、家に帰ったら寝る前に読み直して整理する。必ず寝る前にやること」
「人間は書かないと5割忘れる。寝て起きると8割は忘れる」「人はね、打ち合わせの場では、
地位とか、雰囲気とか、声の大きさとかで相手を判断しがちなんだ。でもそんなのは関係ない。
偉い人が的外れなことを言うこともあるし、若い人がすごくいい意見を言っていることも多い。
ノートを読み返すと、その場で何が大事だったのかが自ずと見えてくる」
予定はいつも朝からいっぱいで、1日にアポイントメントが10件を超えることもざらでした。
当時は無印良品のA4ノートを使っていたのですが、3日で1冊使いきってしまうようなペースでした。
ノートには、日時場所参加者の名前と所属・肩書き席の並び順発言参加者の風貌や話し方
(身振り、手振りも)を記録します。「○○会社△△部□□部長」といった肩書きの詳細を書くことも、
重要な意味があります。こう断言しました。「人を、肩書きで判断しろ」
普通は「人を、肩書きで判断してはいけない」じゃないか納得のいかない顔をしていると、
いつもの上目づかいで続けます。「君がいま思っているような意味じゃない。
抽象的に相手を判断するな、ということ。君は好き嫌いが激しすぎる。自分が好きな人にはよくするけど、
嫌いな人には徹底的に厳しい。でも、それって君の主観だろう」主観で何が悪い。主観といってもフェアな主観だ。