★戦場にかける橋★

武士道 vs 騎士道 を描いた映画
日本人将校の描き方は決してトンデモ系ではなく、意外な程マトモで男らしい
「ラストサムライ」で見られるような露骨な日本人蔑視のシーンはなく
むしろ英国人と日本人を対等に扱い、米国人を見下しているところがある
ストーリーは
捕虜である誇り高き英国人将校と誇り高き日本人将校が捕虜の扱いで対立
結局、英国人将校が信念を貫き、日本人将校が譲歩するが
時が経つにつれ、英国人将校の行動も徐々に日本人将校寄りになっていき
気が付けば、ほぼ、当初日本人将校が主張していた通りの行動をしてしまう。
作品終盤においては、日英の軍人が互いに認め合った仲間のような雰囲気が
醸し出される
そこへ空気の読めないアメリカ軍人が率いるイギリス兵爆破部隊が橋を爆破
しようとする それに気付いた英国人将校が日本人将校とともに阻止に動くが
銃撃戦になり、結局、橋は爆破されてしまう。
このとき日本人将校を刺した米英爆破部隊に激怒し、英国人将校が日本軍人
に米英爆破部隊への報復射撃を叫ぶのが何とも皮肉であり
実は、武士道精神も騎士道精神も持っていないアメリカ人が一番野蛮で
程度が低いのだ、という製作者の主張を暗示している。
最終的に悪人になったのはアメリカ人であり、そのアメリカ人が、周囲の人から
白い目で見られる中で、自分のしたことを必死にいい訳しているシーンが
なんともおかしい。

なお、この映画に出演した早川雪洲は、大物のハリウッド俳優であり
そのギャラはチャップリンと同額 ハリウッドスターの追っかけまでいた
すでに大物だったハンフリー・ボガードも早川の熱烈なファンであった。
今なら、シャワちゃんレベルのスターで、アジア人で早川を超える
ハリウッドスターは未だにひとりも出てきていない。