今日はデルタの清水さん宅でホームコンサート。彼女のピアノの先生、新屋さんのピアノリサイタルだ。
初めて彼のリサイタルに誘ってもらえた老婆はワクワクしすぎた。
老婆は遠慮なく演奏者新屋さんの真後ろに座った。
プログラムを受取り、場所の提供者であり、多分今日の主催者である方のご挨拶、続いて演奏が始まった。演奏者の真後ろだからよく聴こえ、段々とピアノの音に引き込まれ、頭がふわーっとしてくる。その気持ちの良さ。
老婆の頬に涙が伝わる。大きなステージで聴くのとは違う。
何だか演奏するその時々の彼の心がピアノの音とともにビンビンと伝わってくる。
また、彼の指はビビビッとハチドリが羽ばたくように鍵盤の上を飛び、たった一台のピアノ演奏がまるでもう大演奏会のようだ。
汗をびっしょりかいている。素晴らしい!彼の演奏は全て暗譜だった。
昔、小澤征爾の演奏をオーストリアのヴィアナまで聴きに行き、小澤征爾と話すことのできた友人が言った。
「彼はね、その大演奏、全曲暗譜していたのよ!」