無投票「民意反映されず大問題」03月29日 15時35分ttps://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20190329/8030003377.html
選挙制度に詳しい慶応義塾大学の小林良彰教授は、無投票が増えていることについて、「議員になる人の属性や職業
経験がどうしても偏りがちになり、民意が正確に反映されなくなる。
有権者にとっても投票する習慣が失われ、政治に対して関心を持てなくなり大きな問題だ」と警鐘を鳴らしています。
無投票が増えた背景については、「住民から見ると地方自治をやっているのは首長であり、議会ではないと思っている。
昔は地方議員は名望家と言われ、周囲から尊敬される位置づけだったが、今は時代の流れとともにそうではなくなっている。
さまざまな制約の中で、議員にやりがいを見いだしにくいのが立候補する人が少なくなっている原因だと思う」と指摘しています。
その上で「無投票を解決するためには、地方議員をもっとやりがいのある仕事にすべきだ。
根本的に地方議員の役割を見直して、彼らがもっと活発に活動できるよう制度改革しない限り、もっと増えていくと思う」
と話しています。
一方、議員のなり手を確保するために議員報酬を増額することについては「報酬を上げたからといって直ちに多くの
人が出てくるわけではないと思う。報酬目当ての人ばかりが議員になるのも困る」と述べ、否定的な見解を示しました。
このほか、道府県議会議員選挙の政令指定都市の選挙区で無投票が相次ぐ一方、政令指定都市の市議会議員選挙
では無投票が少ないことについて、「政令指定都市は都道府県を飛び越えて国と直接いろいろな交渉ができるので、
一番やりがいを持ちやすい。
しかし、道府県議会議員はまず当選が見込めない上、当選したとしても知事の権限が強いため追認するしかなく、
自分の仕事を見いだしにくい。これが無投票が増えてきている原因だと思う」と話しています。