0589元武雄市長物語
2019/01/21(月) 14:16:58.07ID:qCx4d2kK0その後、プリキュアショーは無事開演。
昨日から先程にかけての出来事があったと思えないほどの好演を見せる声優。
スーツアクターたちの動きも相俟って、会場は大盛り上がり。
小さな子供たちの声援も飛び交う。
そして、ついにあの場面にさしかかる。
声優は、果たしてどう演技するのか?
その模様を、関係者控室のモニターでニヤニヤしながら見守る樋渡。
声優「何でもできる! 何でもなれる!
フレーフレー・・・」
言葉に詰まる声優。
着ぐるみたちは、台詞が止まったことに戸惑い、首をかしげる動作。
窮地に立たされたまま動かない主人公を見て、小さな子供たちが口々に応援し始める。
「プリキュアーまけるなー!」
「プイキュアーがんばえー!」
ショーを楽しんでいる客のためにも、ここで流れを寸断するわけにはいかない。
応援してくれる子供たちのためにも、ここで立ち止まるわけには行かない。
声優は、意を決する。
声優「フレーフレー、ひわたしー!
がんばれがんばれ、たわしー!」
原型を、1字いじっただけの台詞。
しかし、観客に衝撃を与えるには十分すぎる。
(ざわ・・・ざわ・・・)
どよめく会場。
関係者一同も、あわてふためく。
唯一、喜色満面の笑みを浮かべながらモニターを見守る樋渡を除いて。
(つづく)