hugetto! precure[2]

そんなよくある大人の事情満載な会話をしている2人のところへ、別の関係者が2名。
年配の男性が若い女性を先導している。
その男性・・・小松市長が、開口一番たずねる。

小松「どうかね諸君、首尾のほうは。」
A「あ、これは市長。 いたって順調です。」
小松「そうか、それは何より。 今回のイベントには私の命運もかかっているからね。」
B「あの市長、そちらの女性はどなたっすか?」
小松「ああ、紹介しよう。 今回のイベント、プリキュアショーで主人公の声を担当される声優さんだ。」
声優「皆さん処めまして、宜しくお願いします。」
A・B「宜しくお願いします。」
小松「さて、それではさっそく今回のショーのリハといきましょう。
   着ぐるみ担当の方々もステージのほうで待機しているので。」

会場へ移動すると、声優はスーツアクター達と軽く打ち合わせを行い、台詞合わせにとりかかる。
人気声優である彼女は多忙で、今回のイベントも開催の前日入りである。
故に台本は現地到着後に渡されたため確認していないが、ショーでは人前に出ない役回りなので問題ない。
原作であるアニメで主役の声をあてている彼女は、この手のショーを既に全国各地でこなしてきている。
台詞回しには定形というものがあり、毎回大体同じ。
スーツアクター達の動きに合わせた台詞も、滞りなく進む。
・・・そう、あの場面までは。

(つづく)