「天皇のために戦争に征ったという人もいるが、それは言葉のはずみであっ
  て関係ないですね。それより、戦争を忌避したり、もし不始末でもしでかした
  ら、戸籍簿に赤線が引かれると教えられたので、そのほうが心配でしたね。自
  分の責任で、家族の者が非国民と呼ばれ、いわゆる村八分にあってはいけんと、
  まず家族のことを考えました」(戦艦『大和』の乗員表専之助氏の述懐)
         (辺見じゅん氏著『男たちの大和<下>』ハルキ文庫、p.276)