シドニー工科大学の教授を中心とする研究チームの発表によると、運と技術は混同されやすい。
教授らは、プロサッカーの試合のデータを調査し、
ゴールポストに到達した1万回以上のシュートと、シュートした選手のパフォーマンスを分析した。
結果、「得点になった選手」と「得点にならなかった選手」の、
その後の試合における平均的なパフォーマンスには、科学的有意な違いは出なかった。
教授は、「ゴールポストに到達するシュートが得点につながるかどうかは、
選手の技術よりも偶然に左右されることがわかります。
しかし、ゴールを決めた選手は、その後の試合で監督らから長いプレー時間を与えられることが多く、
ジャーナリストやサッカーファンからの評価も高かったのです。
運が選手の格付けや評価に過度な影響を与えていることを踏まえると、
この傾向はビジネスや他の分野にもあてはまる可能性があることがわかります」と述べ、また、
「職場の上司や意志決定者の判断には、しばしば、結果バイアスがかかっています。
結果バイアスとは、結果が偶然の産物だったとしても、良い結果には良い評価が与えられるバイアスの一種です。
ゴールを決めた選手には長いプレー時間が与えられた事例からもわかるとおり、
幸運にも良い結果が得られた人は、その後もさらにチャンスを与えられてさらに成果を挙げる可能性が高くなります。
誰かの成功は運が重要な要因になっている可能性が高いことや、
誰かが成功しなかった場合、その人にはどうすることもできない事由があった可能性があることに、
留意しておく必要があります」とまとめ、人を結果のみで判断することの危険を指摘した。
ttps://www.mitpressjournals.org/doi/abs/10.1162/rest_a_00783
ttps://www.smh.com.au/business/workplace/evaluation-bias-muddying-performance-perceptions-20191104-p5375a.html