「いいか、貴様ゴミ。相手を見て、物を言えよ。
‎  ‎俺が優しいからと、調子に乗るな。
‎発言を許す。続けろ」

最初、キョトンとして、無くなった自分の左手部分を眺めていたおっさん。

理解が追いつくのと、痛みが襲いかかるのが同時だったようだ。

絶叫し、転げまわり始めた。

ええっと、英傑だっけ? 何か、誉れ高いのじゃなかったかな?

そんな凄そうな奴と、目の前のおっさんを=イコールで結ぶのはちょっと厳しいぞ。

だがまあ、少しは怒りが和らぐ気がする。

でも、コイツがしんでしまったら、怒りのリバウンドが来そうで怖い。

「ん? 言いたい事があったんじゃ無いのか。
‎その踊りを見せたかったのなら、もう十分だし、終わっていいぞ」

その言葉で、此方を見て、しきりに何か言おうとし始めた。

恐怖と痛みで声が出ないようだ。世話の焼けるおっさんである。

仕方ない。一時だけ痛みを忘れさせてやろう。

おっさんの髪を掴んで顔を上げさせた。

「一度だけ喋らせてやる。言え」

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Rock54: Caution(BBR-MD5:0be20a4887bc3d3353f527d3636c44e3)