誤りを認める勇気を/大規模・集中型への執着解け
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 いよいよ2020年代が始まる。時代を振り返ってみると、「失われた20年」は「30年」へと続いてしまった。待ったなしで、持続可能な文明への転換が求められる中、何をすべきなのだろうか。

 まずは、失敗、誤りを認める勇気を持つことだ。

 ここ数年、世の中に、自らの失敗を認めず、隠す・ごまかす・押さえつける風潮が蔓延してしまった。特に、政治や経済において実権を握っている60歳前後の世代の罪は深い。
従来の既得権や権力構造あるいは数年先の「逃げ切り」にしがみつく先に、未来は訪れない。それは、次世代への背信行為と言ってもよいのではないだろうか。

 この30年間を「失われた」ものとしたのは、長い目で見れば幻想でしかない経済成長の継続を、大規模・集中化により実現しようとした三つの失敗である。

 第1は、文明の根幹をなすエネルギー分野において、原発に代表される大規模・集中型を選択したことだ。
あの悲惨な福島第一原子力発電所の事故があっても原発を卒業しないとしたら、この先、どんな事故があれば止めるのか。

 第2は、00年前後から、アメリカからの外圧も受けて進めた大規模店舗に関する法律の改悪や廃止により、郊外型の大規模ショッピングセンター建設を野放しにしたことだ。

 第3は、「平成の大合併」である。縁辺部の小さな自治体をつぶした行政の大規模・集中化は、結局何をもたらしたのか。

 これら三つの失敗は、いずれも循環型社会の基本原則と逆行している。