ここから小谷野先生はさらにオリジナルな主張に進む。正直おもしろい。
私が「仇討ち制度」復活に賛同しかねるのは、実現の困難以上に、この理由による。呉は、仇討ちの権利を個人から国家が奪ったというが、
逆に言うならば、仇を討ってくれるような家族がいない者(殺された者)にも、国家が代わって復讐する権利を与えたとも言えるのである。(p.33)
なんかよくわからんがすばらしい。そういう孤立した人間に思いを馳せることができるのが小谷野先生のすばらしいところ、私はそういうところが好きなんだなと確認。

in江口某の不如意研究室