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「コンクリートから人へ」は、2008年(平成20年)
6月14日午前8時43分におきた
岩手・宮城内陸直下型大地震で、
「ダム湖に、巨大地滑りが流れこみ、
ダム湖からの、巨大津波をおこす」という、さらなる巨大災害を誘発する恐れが濃厚なことから、ダムが危険視されたからw



ダム湖で大津波が起きた!

岩手・宮城内陸直下型大地震では
荒砥沢ダムの地すべりは、ダム湖の上流部にあたる斜
面で起きたため、その一部の土塊がダム湖に流入した。
流入土砂量は145万?と推定されている。

荒砥沢ダムは、洪水調節と灌漑用水を目的として、
1998年11月に完成したもので、湛水面積76ha、総貯水
容量1413万?のロックフィルダムである。

ダム湖は、もともとあったV字谷に大量の水を溜める
ことによって造られた人工の湖だから、湖に接する斜面は、
どうしても急峻にならざるをえない。

その斜面が、地震の衝撃などによって大規模な崩壊や地すべりを起こせば、
大量の土砂がたちまち湖に滑落して、大津波を引き起こす可能性がある。
もし津波が堰堤を越えるようなことになれば、
下流域は甚大な災害に見舞われることになろう。

海外では地すべりによる大量の土塊がダム湖に流入
したため、大災害となった事例がある。
1963年10月9日、イタリア北部の山中にあったバイヨントダムの左岸側で、
巨大な地すべりが発生してダム湖に流入した。
地すべりの原因は、10日あまりも降り続いていた大雨による
もので、
地下水位が上昇した結果、少しずつ斜面がすべ
りはじめ、9日の夜になって、一挙に大規模地すべりを
引き起こす結果となった。
滑落した土砂量は2億4000万?、土塊の移動距離は、400mほどであった。
膨大な量の土塊が流入したため、ダム湖で大津波が発生、
堰堤をはるかに乗り越え、奔流となって下流の村を襲い、
約2600人の死者を出したのである。

日本各地のダム湖では、地震や豪雨による地すべりや斜面崩壊の土砂が、
湖に流入して津波を発生させることまでを視野に入れた防災対策、
とりわけ下流域の住民に対する早期避難体制の確立や、緊急警報
システムの整備を進めておくことが重要なのではないだろうか。

ダム湖における津波の発生は、岩手・宮城内陸地震がもたらした
防災上の教訓の一つと位置づけられるべきであろう。