温泉施設でレジオネラ菌の集団感染 14人が入院 広島

広島県三原市の日帰り温泉施設を利用した14人が、今月18日〜22日にかけて肺炎や呼吸困難などの症状を訴え、入院していることが明らかになった。

この温泉施設で採取した水からレジオネラ菌の遺伝子が検出されたことから、県はレジオネラ症の集団発生だと断定し、施設の営業自粛を要請した。

レジオネラ症の集団発生があったのは、広島県三原市の森川観光が経営する「みはらし温泉」(森川孝人代表取締役)。

県の健康対策課によると、広島市や県内の複数の医療機関から、レジオネラ症患者の報告が相次ぎ、調べた結果、14人全員が3月初旬から中旬にかけて「みはらし温泉」の入浴施設を利用していたことが判明。

患者は30代から80代までの男性12人と女性2人で、発熱や咳、肺炎、呼吸困難などの症状で入院治療を受けている。

医療機関からの報告を受けた保健所が、施設に立ち入り調査を行って浴槽から温泉水を採取したところ、レジオネラ菌の遺伝子が検出された。
現在、患者から採取した検体と遺伝子型が一致するか分析を進めている。
県は、みはらし温泉が営業を自粛する前日の20日までに施設を利用した人について、発症するおそれがあるとして情報提供を求めている。

国立感染症研究所によると、自然界に広く生息するレジオネラ菌は、循環式の浴槽や冷却塔、給湯設備などに侵入して繁殖し、菌を含む空気を吸い込むことで感染する。
高齢者や糖尿病、慢性呼吸器疾患のある患者では、肺炎を起こすリスクが高く、レジオネラ肺炎の潜伏期間は2〜10日ほどだという。

【日時】2017年03月24日 09:45
【提供】ハザードラボ