官邸の誰が指示 検証の課題に  06月17日 07時17分
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1036965841.html

東京電力が福島第一原子力発電所の事故のあと、2か月以上メルトダウン、いわゆる
炉心溶融が起きたことを認めなかった問題で、東京電力が依頼した弁護士らの委員会
は、当時の社長が官邸からの指示を受けて“炉心溶融”ということばを使わないよう指示
していたことを明らかにしました。

官邸の誰が指示したのかなど未解明の部分もあり、今後の検証の課題となっています。

福島第一原発の事故では、1号機から3号機まで3つの原子炉で核燃料が溶け落ちる
メルトダウン、いわゆる炉心溶融が起きましたが、東京電力は事故から2か月後まで正式
に認めませんでした。

この問題を検証するため東京電力が依頼した弁護士らでつくる委員会は16日、調査結果
を公表し、当時の清水社長が官邸からの指示を受けて“炉心溶融”ということばを対外的に
使わないよう指示していたことなどを明らかにしました。

しかし、官邸側への調査は行われず、具体的に官邸の誰が、どのような指示をしたのかは
明らかになっていません。

また報告書では、東京電力の幹部が事故の3日後、社内のテレビ会議で「1号機と3号機が
炉心溶融している」という趣旨の発言をしていることなどから、「早い段階で炉心溶融を対外
的に認めることが可能であったとの見方もできる」としていますが、当時の判断の是非を
「委員会は判断できない」とするなど結論があいまいな部分もあります。

東京電力は、この問題を追及してきた新潟県の技術委員会と合同で検証を続けるとしており、
全容の解明が課題となります。

新潟県の技術委員会の委員で多摩大学の山内康英教授は、「炉心溶融を使わなかった背景
や社会的影響、それに故意はなかったのかなど、報告書で判断できなかった部分を追及して
いきたい」と話しています。