【高須院長「給料が上がらないアベノミクスは詐欺みたいなもの」】

高須:そもそも「富」ってものは、何かに使って初めて「富」になるものだからね。
株で得られる利益なんてものはまさにそれで、換金しないとただの紙だからね。
株価が上がってるからって浮かれて浪費していると、後でひどい目にあうよ。
バブル期にそういう人がどれだけいたことか(笑い)。

そういう意味ではアベノミクスは詐欺みたいなもんだな(笑い)。
インフレにすることで、株価も上がってなんとなく景気全体が上向きになっているような気もするけど、
その分物価が上がって家計は苦しくなるわけでしょ。
インフレに連動してすぐさま賃金が上がればいいけど、そういうわけでもないからね。
賃金が上がるのは後になってからだから、実はサラリーマンの生活は苦しいと思うよ。

──なるほど。では、円安についてはどう思いますか?

高須:本当のお金持ちは円高のほうが儲かるんだけどね。海外の企業を買収するにしても、円高のほうが得でしょ。
バブル期は円高だったから、ソニーがコロンビアを買収したり、横井英樹がエンパイアステートビルを買ったりできたわけだからね。
たしかに、貿易会社なんかは円安で助かるだろうけど、輸入業者は損してるんだよね。単純に「円安だからいい」ってことはないよ。

──アベノミクスで誰かが儲ければ、その分誰かが損をする、ということですね。

高須:だから、マスコミはアベノミクスで誰の景気がよくなって誰の景気が悪くなったのかっていうことを、
しっかり報道する必要があると思うよ。
株価とか為替の数字を出すだけではダメ。
数字が変わったことで、どの業者にどんな影響があったかっていうことを伝えないと。
そういう点を無視して「景気がよくなった」って言い切るのは、それこそ詐欺だと思う。
そもそも、サラリーマンの給料が上がってないのに「景気がよくなった」なんて言えるわけがないよ。

http://news.mynavi.jp/news/2013/07/06/018/index.html