ティム・ワイナー氏の著作については、第12章に「自民党への秘密献金」として、岸信介とCIAの密約による不当な金の流れについて言及されています。
読めば分かるのですが、岸信介がやってきたことは完全に違法行為です。
ワイナー氏によれば、かつての日本には、CIAのエージェントとして暗躍した大物日本人が少なくとも二人存在するといいます。
一人は児玉誉士夫(こだま よしお)であり、そしてもう一人が岸信介です。

児玉誉士夫は戦前から「建国会」なる右翼団体に籍をおき、「天皇直訴」や「斎藤実首相暗殺」を画策し、
投獄の憂き目にあったりもしましたが、戦時中は海軍や内務省のコネクションを最大限に活用し、中国闇市場のレアメタルの取引で財を成しました。
当時のアメリカは、児玉ルートを通じて大量のタングステン(ミサイルを製造する際の必需品)
を調達し、児玉誉士夫に多額の報酬を与えていました。それでも児玉は、諜報部員としての才はあまりなかったようす。

そこでCIAは、児玉誉士夫に縁の深い岸信介に焦点をあて、マッカーサーを説得しA級戦犯から除外することにより
(戦時中は東条英機内閣で商工大臣を務めていたことから、
A級戦犯として巣鴨拘置所に収監されていました)、岸をエージェントとして雇うことに成功しました。

その後の岸信介はCIAの闇金を背景に、政治家として日本の首相の座まで上りつめることになります。