(朝鮮日報日本語版) 米シンクタンク「自由朝鮮、北朝鮮政権の実質的脅威に」
4/8(月) 23:07配信
 
米国の専門家らが、北朝鮮の反体制組織で臨時政府樹立を宣言した「自由朝鮮」について「北朝鮮政権に実質的な脅威となる可能性がある」との見方を示した。

 韓米経済研究所のキャサリン・スティーブンソン所長は6日(現地時間)に放送された米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の番組で、自由朝鮮について
「興味深い点は、(北朝鮮の代替勢力が登場する)特定の時期に到達したのかということ」
として「外部の環境の変化に加え、脱北者と難民の増加、国際的な北朝鮮人権運動などによって、脱北者の共同体から代替勢力が現れる時が来たのか、考察する必要がある」と述べた。

 スティーブンソン氏はまた「他の権威主義、全体主義体制の国にはこうした代替勢力が存在したが、北朝鮮には数十年間このような勢力がなかった。
ようやく登場したのかどうか、興味深い」と話した。

 自由朝鮮の前身は、2017年2月に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が暗殺された後、正男氏の息子のキム・ハンソル氏を保護した
「千里馬民防衛」だ。今年2月末にはリーダーのエイドリアン・ホン氏が組織のメンバーと共にスペインの北朝鮮大使館を襲撃し、3月1日には名称を自由朝鮮と改めて「北朝鮮の臨時政府」と宣言した。

 米外交問題評議会のスコット・スナイダー上級研究員は「(自由朝鮮は)過去になかった戦術を用いる新たな形態の組織」だとして
「北朝鮮指導部の(権力維持に対する)パラノイア(被害妄想)を刺激している」と指摘した。
スナイダー氏は「北朝鮮内部への影響力がある場合、北朝鮮指導力にとって実質的な脅威になる可能性がある
」「自由朝鮮が(脱北者社会の)指示を受けている場合、前例のない勢いが加わるだろう」との見方を示した。

 専門家らは、自由朝鮮のような反体制活動の成功の鍵は、分裂した脱北者社会がどのようにまとまるかに掛かっているとみている。スナイダー氏は
「北朝鮮には出身成分(階級)という制度があるため、(北朝鮮内外の)住民たちが分裂しており、脱北者たちが一つにまとまって何かを進めるのが難しい」と指摘した。