米中間選挙が示すもの:二大政党のかい離した世界
共和党支持基盤は地方と白人、民主党支持基盤は都市と郊外
By Reid J. Epstein and Janet Hook
2018 年 11 月 9 日 09:24 JST
https://jp.wsj.com/articles/SB12048907042135944252204584582901485955992
オバマ前大統領の就任を機に、地方の白人有権者の民主党離れが起きたのと同様、ドナルド・
トランプ氏が大統領に当選して以降、教育を受けた都市郊外の住民は共和党にそっぽを向いた。
6日の投票でもこの傾向は続いた。

 両党の根本的な問題点もさらけ出した。共和党は高年齢層中心の白人の政党と化した。支持
者の多くは大卒ではなく、人口に占める比率が次第に低下する層が支える。これに対し、民主党
は都市部とその郊外に支持者が集中し、地方の選挙区に勝機が広がらない。

 さらに、トランプ氏が共和党を自身のイメージ通りに作り上げたことで、中道派は党から離れた。
一方、民主党は2020年の大統領選に向け、どのような候補者を擁立すれば、新たな支持層で
あるマイノリティーや若者、学歴のある郊外居住者を結束させられるかという課題に直面している。

開票結果によると、まだ結果の確定しない少数の選挙区を除き、民主党は大卒有権者の比率
が最も高い下院選挙区の81%を制した(1998年には約半数にとどまっていた)。共和党は大卒
者の比率が最も低い下院選挙区の約60%を制した(1998年の44%から上昇)。

 2010年の中間選挙では、共和党が郊外にある18の選挙区を制し、ブルーカラー労働者が多い地
域や地方の41議席を獲得した。これに対し、今回は少なくとも27の郊外選挙区で議席を失い、結果
的に下院多数派を民主党に奪われた。一方、地方や小さな町で共和党が失った議席はわずか7だ。

共和党は何年もかけて中道派を追い出し、保守派のとりでとして結束を固めた。民主党は依然、
左派へのイデオロギー転換のさなかにある。ビル・クリントン元大統領が1990年代に進めた中道派
路線から大きくかけ離れている。