【社説】米民主党に流れた選挙資金の津波
https://jp.wsj.com/articles/SB12048907042135944252204584583333623732854
2018 年 11 月 9 日 14:21 JST
 米民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務は6日夜、同党が多数派となる新たな下院は「わが国の
選挙の黒い利権資金の沼を干上がらせる」ために選挙資金改革を行うと言明した。よくそんなことが
言えたものだ。ペロシ氏が2度目の下院議長職を務められるのは、民主党を政治的勝利へと導いた
ドル紙幣の波に負うところが大きい。

 米政治資金監視団体「責任ある政治センター(CRP)」のウエブサイト、オープンシークレッツの統計
によると、今回の中間選挙で民主党の下院議員候補が集めた選挙資金は、直近の報告期限であ
る10月17日の段階で9億5100万ドル(約1100億円)に達していた。これは共和党候補の選挙資金
を50%近く上回っている。民主党候補への寄付の45%は州外からもたらされた。共和党の場合、
その比率は34%だ。中間選挙の最新開票状況で民主党が共和党から議席を奪った34選挙区のうち、
7選挙区以外はすべて民主党候補の方が多くの選挙資金を集めていた。

マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長は、自身が民主党候補として大統領選に出馬する可能
性を示しているが、今年の連邦議会選に際して1億ドルを拠出することを約束していた。同氏の10月
半ばまでの支出額は3800万ドルにとどまっていたが、その後の3週間で一気に増やした可能性がある。