「お笑いさ。屋根だとはな…………アハハハハ…………アハハハハハ…………
登ったぞ…………屋根だ…………アハハハハ…………アハハハハハ…………」

宇宙飛行士のピーター・ウィリス空軍中佐が、「屋根の上の猫」を言いながら、
長い時間をかけて登り、漸く登りついた崖には、
2機のヒューズOH-6A・カイユースが着陸して、待ち構えていたのだった……。

ズームアウトした時に、“ガン!”という音と共に「絶望の曲」が流れるのだが、
劇中で使用された曲とサントラ盤(LP)では、アレンジが異なっている。
サントラ盤(LP)では、ジョン・ウォーカー海軍中佐が、水を求めていた時に、
2機のOH-6Aに発見された時のパートと同じアレンジになっているのが残念だ。

そのシーンに限って見れば、崖の上で待ち構えていた2機のOH-6Aの、
正面と側面のウィンドーが、獲物にとどめの一撃を刺す雀蜂の目のように見えた。
非人間的かつ無機質な褐色の2機のOH-6Aは、ウィリスの台詞に被さるように、
「お前が来るのを待っていたのだ。ピーター・ウィリス空軍中佐」
「待っていたのだ」
と、無言で伝えかけて来たように感じる。