怪奇現象 [無断転載禁止]©2ch.net
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蚊がブーンって飛んでたから握って潰そうと思ったけど逃げられたんですよ
少しするとなんか足がかゆいなって思って
数分経つと右足二カ所と左肘一カ所に膨らみが出てめっちゃかゆい
あんにゃろ三カ所もやりやがった
刺された所を軽く水で洗っておいたんだけど
普段も水で洗うとかゆみが多少収まる程度で跡は残ってるし触ると異物感がある
でもさっき刺されてから1時間経った今
かゆくないなって見たらビックリ
さっきまで膨らんでた箇所に何も無い
三カ所全てで何も無い
こんなこと初めてだ
怖いな〜怖いな〜
諸君らは俺が蚊に刺されたこと自体が嘘なんじゃないかと思うだろう
だが本当なんだ、信じてくれー!
VIPQ2_EXTDAT: none:none:1000:512:----: EXT was configured 【パーフェクトヒューマン・1】
突然ですが…小人って見たことありますか?
よく都市伝説的に妖精を見たとか小さいおじさんを見たとかいう話があるじゃないですか。
ああいう感じのやつで…
でも、もしも見かけたらですね、絶対、絶対にそのままシカトしたほうがいいですよ。
…何故かって?
実は…僕も見たんですよ。
あれは3日前だったかな。
その日は久しぶりに朝から晴れて気持ちよかったんで、夜勤が明けてからまっすぐ家には帰らないで、途中の公園に寄ったんです。
そこには広い芝生の広場があって、平日の午前中で人もほとんど居なかったんで、大の字に寝そべってちょっと昼寝しました。
一寝入りしてから気持ちよく目を覚ますと、何か気配を感じたんです。
周りを見回した僕は、我が目を疑いました。まだ夢を見てるのかと思いました。
でも、違ったんです。現実だったんです。
なんと僕の横に…すずもんが立っていたんです。 【パーフェクトヒューマン・2】
ていうか、正確に言うと身長20cmぐらいの小人すずもんです。
…想像できますか?
不協和音のときの制服を着て僕のことを不思議そうに見ていました。
僕「え?す…すずもん?」
僕が話しかけると、一瞬あのビックリした顔芸を披露したあと、うっすらと微笑んでくれました。
とにかく可愛いかった。
小さな口が何か動いてるのはわかりましたが、声は聞き取れません。単に声が小さいのか、それとも周波数が違う声が出てるのか。
1〜2分そのままぼーっと見つめてたんですけど、不意に
僕「あの…家に来る?」
という言葉が出てしまいました。
今から思えばこれが失敗の始まりだったんですけど。
でもこの時はそんなことも思いもよらなかったんで、僕の言葉にニコッと頷いてくれた彼女を迷うことなくリュックの中に隠して家に連れて来てしまったんです。 【パーフェクトヒューマン・3】
家に着いて小人すずもんをリュックから出しました。
彼女、まず、どうしたと思います?
…正解です(笑)。
まずテーブルの上で寝ました(笑)。
で、目を覚ますと僕の部屋の中をあちこち探検して、ちょっと踊って、また探検して、また寝て(笑)。
ちょうど甘栗があったんで勧めてみると喜んで食べてくれて。
あっという間に1日が過ぎました。
翌日も休みだったんで、同じ感じで小人すずもんと2人で家から全く出ずに過ごしました。
いやらしいことは不思議と全く考えませんでしたよ。
それでもとにかく幸せで、僕の人生で間違いなく最良の日だったと思います。
今思い出しても…泣けてくるなあ… 【パーフェクトヒューマン・4】
そしてその翌日、つまり昨日ですけど、僕はどうしても夜勤の仕事が休めなかったので、夕方に小人すずもんを家に置いたまま出かけました。
もちろん甘栗をはじめ食べ物飲み物は用意しておきました。
小人すずもんも何となく状況はわかってくれたらしく、笑顔で見送ってくれました。
そして今朝、仕事が終わって一目散に家に帰ってみると…
アパートの部屋の玄関の前に小人が立ってたんです。
小人すずもんが家の外に出てきちゃったのかと一瞬焦りましたが、違いました。
なんと今度は、小人ずーみんだったんです。 【パーフェクトヒューマン・5】
状況が飲み込めないままに僕がとりあえず玄関を開けると、小人ずーみんはその隙間からタタタッと部屋に駆け込みました。
そして小人すずもんを見つけると、がしっと抱きつきました。
2人とも口が動いていて何か喋ってる風ではありましたが、相変わらず聞こえません。
僕がぼーっと2人の様子を見ていると、不意に背後から声をかけられました。
長沢「お邪魔します。ここだったんですね」
僕がびっくりして振り返ると、そこには黒スーツ姿の女性が立っていました。
長沢「あ、突然失礼しました。私、長沢食品工業株式会社の者です」
『専務取締役・研究室室長 長沢奈々子』と、彼女が差し出した名刺には書かれていました。
欅坂の長沢くんに面影は似ていますが、別人のようです。 【パーフェクトヒューマン・6】
長沢「このたびは我が社のサンプルを保護していただき、ありがとうございました。まずは御礼申し上げます」
僕「サンプルって…何のことですか?」
長沢「あの小人のことです」
黒スーツの彼女は横目で2人の小人をチラ見しながら言いました。
僕「会社のサンプルって…意味がわからないんですけど」
長沢「これから貴方にも我が社に来ていただきますので、ご希望があればそちらで御説明致します」
僕「来ていただくって…僕にもこれから予定が…」
と、そこまで言いかけたところで、女性の後ろから屈強なボディガード風な男性2人が入ってきました。
僕に拒否権は無かったようです。
黒塗りの高級車に乗せられ、僕は会社へ連れていかれることになりました。
2人の小人は大きな虫かごのような檻に入れられていました。 【パーフェクトヒューマン・7】
連れて来られたの場所には大きな四角い建物がたっていました。
そこは小人すずもんと出会った欅坂公園のすぐ隣りでした。
建物には窓も少なく、ちょっと不気味な感じでしたが『長沢食品工業本社プラント』と看板が掲げてあります。
関係者以外立ち入り禁止の入り口から建物内に入り、僕たちはまっすぐな長い廊下を進みました。
長沢「ところで、当社のサンプルを発見されたのは何処だったんですか?」
廊下を歩きながら彼女は質問してきました。
僕「欅坂公園の芝生の広場です」
長沢「他の誰かに目撃されたことはなかったですか?」
僕「リュックに隠して家に帰りましたし、アパート1人暮らしなんで誰にも見られてはいないんじゃないかなあ…」
長沢「そうですか。ありがとうございます。社外秘のものなんで助かりました」
僕「でも…どうやって僕のところへ?」
長沢「3日前に居なくなってから聞き込みや捜索を全力でやったのですが手掛かりが無かったので、最後の手段として同じサンプルを警察犬代わりに使ったんです」
僕「それがあの…小人ずーみん…?」
長沢「似たサンプル同士だとセンサーが働くようなんです。私たちにも新しい発見でした」 【パーフェクトヒューマン・8】
やがて、廊下の突き当たりにある指紋認証つきの自動扉を通ると、一面ガラス貼りの廊下に変わりました。
ガラスの向こう側は無人で動く巨大ベルトコンベアが行き来していて、ベルトコンベアの上には高さ30〜40cmほどの透明なカプセルが沢山並んでいました。
僕「こ、これは…?」
僕の質問に彼女は軽く薄笑いを浮かべながら答えました。
長沢「当社の現在売り出し中の商品『パーフェクトヒューマンG』の製造工場です。略称『PHG』…ご存知ですよね?」
僕「え?これが…?」
彼女が言うとおり、僕はそれを知っていました。
PHGは最近評判になっている経管栄養剤。病気や高齢化によって食事が口からとれなくなった人が、いわゆる鼻チューブとか胃瘻とかから栄養をとる際に使われるもののひとつです。
僕が働いている老人施設でもそうした経管栄養のお世話になっている方が何人もいて、実際にPHGも使われていました。 【パーフェクトヒューマン・9】
ガラス越しに見えるカプセルには、最初は下3分の1くらいまで培養液みたいなものが入れられています。
ベルトが進むにつれて、そのカプセルにいろんなものが注入されたり、温められたり、カプセルごと撹拌されたりしていました。
すると次第に、カプセル内に小さな塊ができてきます。
それをさらに追って見ていくと、なんと次第に赤ちゃんの姿になり、幼児になり、子供になり…カプセルの中で成長を続けたそれは、最終的には30〜40歳くらいの成人男性のような姿になっていました。
目を丸くして呆気にとられている僕に彼女が話しかけます。
長沢「驚きましたか?当社が開発したクローン技術によって、最初の培養液の状態から約半日で最終形態まで育成することができるんです」
僕「クローン…?」
ここはクローン生成のラインだったのです。 【パーフェクトヒューマン・10】
僕「クローンと経管栄養剤と…関係あるんですか?」
そう問いかけた僕に、彼女はまた薄笑いを浮かべながら工場の一角を指差しました。
そこはベルトコンベアの終点で、カプセルから出された男性の姿のクローンが次々と滑り台のようなもので別室へと送られていました。
僕「何があるんですか?隣りの部屋に…」
長沢「完成したクローンは直ちにすりつぶして、PHGの原料にするんです」
僕は一瞬めまいを起こしてへたり込んでしまいました。
長沢「当社のPHGの最大の売りは、人間の体に必要な栄養素を全ての微量元素にいたるまで完璧にカバーしている点です。
そのためには人体そのものを原料にしていまうのが実は一番手っ取り早い。
しかし実際の人体を材料にすることは倫理的にも面倒なことが多く、また酒やタバコ・薬物などによってダメージが蓄積されて使い物にならない例が多すぎます。
そこで私たちは研究を重ね、この方法に行きつきました。
おかげでPHGは着実にシェアを伸ばしてきているのです」 【パーフェクトヒューマン・11】
僕「人間が…人間が人間を食べてるってことですか」
長沢「クローンは人間ではありません。見た目はもちろん似ていますが、大きさも全然違いますし生殖力もありません」
僕「でも…でも、生きてるでしょ」
長沢「私たちは今まで豚や鳥や牛や魚をさんざん食べてきたじゃないですか。それに野菜や果物だって生命はある。生命を食べることが罪ならば人間は滅ぶでしょう」
僕「知能だってある…」
長沢「動物だって知能あるでしょう。何故人間に形が似てるだけで特別扱いするんですか?
それに母体保護法って知ってますか?妊娠21週までは中絶できるんですよ。じゃあ、それまでは人間じゃないんですか?人間って何ですか?何故クローンが人間だと言い張るんですか?」
畳みかけるように詭弁を投げかける彼女に、僕は呆然と耐えるしかありませんでした。 【パーフェクトヒューマン・12】
ということは、あの小人すずもんも小人ずーみんも、これからすりつぶされてしまうのか。
そう考えると僕の目からは信じられないくらいの涙が溢れ出てきました。
そんな僕の心を見透かすように、彼女が話しかけます。
彼女「今、このラインでは通常のPHGの原料クローンの他に、欅坂のメンバーのクローンのサンプルを作りはじめているところです。原料は欅坂に送り込んだ私の身内が調達してくれています」
僕「…長沢くんですか?」
長沢「わかりましたか(笑)。あの子がメンバーを1人ずつここに連れてきて、私たちが口腔や皮膚から原料を採取しました」
僕「なんでそんなことを?欅坂に怨みでもあるんですか?そうしてクローンをまたすりつぶして…」
長沢「いいえ、今度のクローンは用途が違うのです」
僕「…違う?」
長沢「だから、サンプルなんです」
彼女は僕の目を覗きこみながら、さらに衝撃的なことを言いました。 【パーフェクトヒューマン・13】
長沢「このPHGのプロジェクトを極秘に進めるにあたり、政界財界をはじめとする多くの方々にご理解とご協力をいただいてきました。そして、その方々の中から、ご提案をいただいたんです。
完全栄養食をそのままいただいてみたいと」
僕「そのまま…?」
長沢「そのまま、です。すりつぶしではなくて、そのまま。踊り食いってありますよね?ああいうイメージです」
誰だか知らないが、僕は陰でそんな提案をした奴を一生許さないと決めました。
長沢「となると、食事にお出しするには、男のあんちゃんよりは、可愛い女の子のほうが見栄えもよいだろうということで、サンプルを作り始めたんですよ」
僕「そのことを…欅坂のメンバーは知っているんですか?細胞を採取された理由を」
長沢「黙ってるつもりだったんですけどね、あの子が喋ってしまいましてね(笑)」
笑い事じゃないんですけど!と思いながら、
欅坂のメンバーが次々病んでいったのもこれが原因なのかもと僕は思い始めました。
ということは、むーやてちも…? 【パーフェクトヒューマン・14】
長沢「さて、何か質問はありますか?」
彼女は冷たい目をして僕に尋ねました。
僕は何も答えませんでした。
長沢「そうですか。ではこれであの世へのお土産話は完了ということで」
僕「あの世?」
僕は次の瞬間、あの豪腕ボディガードの1人に後ろから羽交い締めにされました。
そしてもう1人がビニール袋と紐を持って近づいて来るのが見えました。
よくギャング映画やサスペンスで見たことのある道具です。
長沢「お話を聞いていただいておわかりと思いますが…これは超極秘プロジェクトですので、秘密を知った部外者は始末させていただきます。
今回はサンプルを保護していただいた御礼に最後にいろいろと説明させていただきましたが、どうかこの件もあの世まで持っていってくださいませ」
僕「…それを言うなら、墓場までじゃないの」
長沢「いえ、あなたは行方不明者になるので墓場には入れませんよ」
彼女はフフフ…と笑った。 【パーフェクトヒューマン・15】
ガッチャ〜ン…
ボディガードが僕に袋を被せようとした時、ガラスの向こうの工場のラインの方から、物音が聞こえました。
長沢「な、何?」
ベルトコンベアは急停止し、あちこちから湯気が立っています。
よく目を凝らすと、コンベアの終点近くのカプセルがひとつ粉々に壊れ、そばに女の子の小人が立っていました。
僕「…!てち!?」
それは、間違いなく、てちのクローンでした。
あの目で、こちらをしっかり睨み付けながら何か言っています。
もちろん声は実際には聞こえません。でも、口の動きからわかりました。
てち「僕は嫌だ!」
そして、てちのクローンはそばにあったスパナのようなものを拾うと、周りを死に物狂いでガンガン叩きはじめました。
周囲のカプセルが次々と割れ、細い配管に穴が開き、湯気は一層激しくなりました。
長沢「こら!やめなさい!やめて!」
彼女は大変慌てた様子で工場内部へ続くドアを開け、ボディガード2人を連れてライン部分へ降りる階段を駆けていきました。
僕「あれ?…臭くないか?」
開け放たれたドアから入ってきた空気は変な臭いがしました。 【パーフェクトヒューマン・16(終)】
破壊行為を続けるてちクローンを心の中で応援しながら、僕はこの臭いがメタンガスらしいことに気づきました。
何処かの配管から漏れていたようです。
僕「ということは…やばくね?」
次の瞬間、てちクローンが振り下ろしたスパナがベルトコンベアの金属に当たり、火花が散りました…
…あとはご想像いただけると思います…。
大爆発をして燃え上がった工場は、懸命の消火活動にもかかわらず、夕方近くまで燃え続け、跡形もなくなりました。
あの秘密の製造ラインも、何を作っていたのかも全く判らないくらいになってしまいました。
焼け跡からは3人の男性の遺体が見つかっただけです。
え?そうです。あの長沢女史の遺体は見つかっていません。どこかでまた秘密裏に復活する日が来るのでしょうか…
え?僕ですか?はい、僕は今、三途の川の順番待ちをしながらこれを書いています。爆発で一瞬だったのが、せめてもの幸運でした(笑)。
皆さん、僕が最初に言ったメッセージの意味、分かりましたよね?
小人を見ても、スルーに限りますよ。ね?
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