>>182
長濱「あ、そういえば、さっきは家へ帰られようとしてましたけど、身の安全って大丈夫なんですか?」
米谷「警察職員が訊くことやないな(失笑)」
友香「犯人は逮捕したから大丈夫ですって言われました」
米谷「安直すぎるやろ(苦笑)」
長濱「犯人は殺し屋だって聞いたけど理由はやっぱりこのFAX事件の関係で間違いないのかしら?」
友香「はい、多分間違いないと思います。犯人は私に、数日間大人しくしていれば解放すると言いました。この件が片付くまで私にこれ以上探られないようにっていう意味だと思います」
米谷「犯人グループが雇ったんやろな」
長濱「でもどうして、菅井さんがこの件を取材してることとか、菅井さんがどこにいるかとかが犯人グループにわかったのかしら?」
米谷「素直に考えればええんやないか。スパイがいるんや」

そういうと米谷は友香をじっと見つめた。

友香「え?…あの…」
米谷「菅井さん」
友香「はい…」
米谷「きれいな髪ですな」
友香「あ、ありがとうございます」
米谷「その髪飾りも素敵ですな。ちょっと見たいんですが」
友香「は、はい」

友香は後ろで髪を留めていたバレッタを外し、米谷に見せた。

米谷「高そうなやつですな〜でも、ちょっと失礼しますな」

そういうと米谷はバレッタを裏返して、ピンっと指ではねた。

…コトン

何かがバレッタから外れ、机に落ちた。

長濱「あ、壊しちゃって…あ?いや、違う。これは…」
米谷「小型発信機や。これでGPSとか使ってあなたの行動を監視してたんやな」
長濱「じゃあ、今日施設に行ってたのも犯人側に筒抜けだったのね」
友香「そんな…」

ショックを隠しきれない友香の脳裏に浮かんだのは…

米谷「身近でこのような細工をされる心当たりはありますか?」
友香「実は…新しい…メイドがいるんです」
長濱「そ…そんなお金持ちのお家なんですか?(驚愕」
米谷「問題はそこじゃないやろ。いずれにしても今日は家へは戻らずに近くのセキュリティーのいいホテルに居られたらどうですか」
友香「そうします」
米谷「犯人グループはこのGPSであなたが警視庁に来たことも把握したやろうから、一層身の回りには注意してください」
長濱「明日も何なら連絡して来ていただいて結構ですよ。ここにいる方が安全でしょうから」
友香「ありがとうございます」

友香にとって、とても長い1日が終わろうとしていた。