>>181
しばらくして再び友香が口を開いた。

友香「あの…そもそも警視庁のほうの捜査がまだ動いてない理由って、何かあるんでしょうか?」
米谷「単にイタズラかもということで上が全く動いてくれんのよ」
長濱「もっと具体的に、誰をまたはどこを狙ってどんなことをするかって書いてあれば話が違うみたい」
友香「じゃあ、犯人もなぜそんな漠然とした内容にしたんでしょうか…?」
長濱「そうよね…」
米谷「私の仮説ではこうや。この犯行予告は、ターゲットにだけはわかる暗号みたいなもんなんや。だからターゲットは実は自分たちが狙われてるとわかっている」
友香「じゃあ、なぜそこで警察に名乗り出て保護とかを求めないんでしょうか?」
米谷「おそらくその犯人対ターゲットのトラブルの原因が、世間に表沙汰になっては困ることなんやろ。警察に届け出たらそこを話さんといかんくなるからな。
犯人はそこも踏まえてFAXをマスコミにも流し、ターゲットの逃げ道も塞いだ」
長濱「スルーしにくくしたのね」
友香「でも、予告なく突然やろうとはなぜ思わなかったんでしょうか?」
米谷「その間のターゲットの出方を見極めたかったんやろ。相手が態度を改めれば、実行を思い止まるという可能性も残したんやないかな」

友香「すごいですね…まるで犯人本人みたい(笑)」
米谷「アホなこと言わんでや(笑)誰でもわかるやろ」
長濱「まあ、私の中で重要参考人リストには入れとくわ(笑)」

友香「でも…これだけ推理できてもやっぱり捜査って動かないものなんですか?」
米谷「所詮、状況推理ばっかやからな」
長濱「でも…何か捜査を阻んでる圧力みたいなのも実はかかってるんじゃないかって密かに疑ってもいるんです」
友香「本当ですか?」
長濱「いや、ただの憶測ですけどね」
米谷「でも確かに妙な雰囲気もちょっと感じるな。案外政治家とかまで広がる話なんかな」
友香「考えられなくはなさそうですね…」