>>170
長濱「こんな時間なのになんだかまだ署内がザワザワしてない?今日…」

警視庁内の自販機コーナーで炭酸飲料を2本買いながら、鑑識課の長濱は話しかけた。
ベンチに座っている話し相手は特殊斑所属の志田。2人は同い年の友人でもある。

志田「公開手配中だったの殺し屋が現行犯逮捕されてさっき運ばれてきたんだよ。また守屋さんがあたかも自分の手柄だみたいに鼻息荒くてさ(苦笑)」
長濱「目に浮かぶようだね(笑)」
志田「また例の助けを借りたんだろうに(笑)」
長濱「助けを…?誰の?」
志田「占い師」
長濱「う、占い師〜?」

思わず声が裏返える長濱。

志田「いや、マジでさ。殺し屋の居場所だけはものすごく正確に当たる占い師がいるんだよ。現場の一部では有名なんだ」
長濱「その人に助けてもらったと?」
志田「そうに決まってるって」

そう言うと志田は持っていた缶コーヒーを飲み干し、立ち上がった。

長濱「あ、そういえばさっき現行犯でって言ってたけど、鑑識には連絡がまだ…」
志田「いや、未遂で捕まえたから被害者も怪我ひとつないからさ。後で拳銃ぐらいは回ってくるんじゃないの」
長濱「被害者ってやっぱり社長とかお偉いさんだったのかな」
志田「いや、若い女性記者の人だよ」
長濱「汚職事件を追ってたとか?」
志田「いや…確か最近あのノギザカなんちゃらFAXの件を取材してたとか聞いたけど」

その言葉を聞いた長濱は「ありがと」と一言を残して走り出し、階段を駆け降りていった。

志田「…どうしたんだ、あいつ?」