その後、その動物園の飼育スタッフはそいつらを出入り禁止
にしたみたいなんだ。顔の見えない消費者ってのは、今の時代では一番の権力者
なんだけどな。SNSで集団でまとまってでたらめを書き込んでいけば、どんな有能
な人間でもつぶせるからな。

ただ、子供を壊すことを平気な人間たちをお客さんとして認めなかった。
その動物園関係者からは拍手喝采。よくやった!の声が上がったよ。


でもな。そいつらにもお子さんがいるんだよ。親のせいで動物園に入れなくなった子供たちがな。
泣きながら帰っていったのをそこにいた人たちも目撃している。

動物や生物への関心や愛着を潰したんだな。
代わりに大人の狡猾さ。狡さ。金と力の論理を学んだんだな。
勉強なんかは形式的に取り組む以外はもうしなくなるだろうな。

さて、ここに論理も倫理もずれているこの業界の典型的な縮図が示唆されて
いるんだよな。
ここを掘り下げてみんなで議論してみないか。

でさ、俺が思うにこの業界の人間ていうのは、少なからずそんな人たちがいるわけだわ。

大切するものは、メンツや嗜虐性を軸にした娯楽。
社会に価値を提供できずに社会から阻害されてきたことに対しての彼らなりの
行動原理がそこに見えるのな。

でもさ。この技術はやっぱり立派なもんなわけだ。そこは間違いない。
だからさ、この現状に対して深く掘り下げて議論してみないか。

あ、そうそう。顔を真っ赤にするなよな。便所の落書きで楽しむものであって、
むきになるもんじゃないからな。

で、そんな悪知恵の働く連中はSNSを使えば、切り取り方次第で誰が相手であっても
切り取り方次第でいくらでも悪人に仕立て上げることができると重々理解している
んだよな。
本当に悪質でな。

で、その動物園で起こったような出来事がうちの母校でも起こってな。
ただ、評定できる立場にある人間が、動物園に来た連中と同じ類の人間だったわけだ。

被害にあった人間は、黙して語らず去っていったよ。
どうやっても倫理が組みあがることはなかったんだな。
同級の人間には、申し訳なかったと言っていたよ。

さて、ここに論理も倫理もずれているこの業界の典型的な縮図が示唆されて
いるんだよな。
ここを掘り下げてみんなで議論してみないか。

大変な業界だということはわかるよな。
大概の人達は、これまでのキャリアを考えると転職や転業などの選択肢もない。
業界も自分の未来も八方ふさがりになる。

そんな中には、強い閉塞感の軸になる同調圧力がある。
そして自分も何かから目をそらすようにその同調圧力に加担する。
ある一定程度の安心感を得られるからな。その引き換えに倫理と良識を失った。

この業界に長くいる人たちの核になる部分かもしれないな。

それを示唆しているのがその動物園の出来事なのかもしれん。何か教訓深い
エピソードだよな。