医療行為とは、人の疾病の治療又は予防の目的でする行為である。

基本的に医療行為は誰もが行える。(職業選択の自由)
しかし、人体に害の虞のある医療行為を放置することは、公共の福祉に反するので、以下の様に区分され法的制限がなされている。

1.医学に基づいた人体に害の虞のある医療行為。
これらには医行為、歯科医療、あん摩マッサージ指圧、はり、きゆう、柔道整復、調剤、療養上の世話、保険指導、歯科技工などが有り、業とする時は免許を必要とする。

2.医学に基づかない人体に害の虞のある医療行為。
これは医業類似行為と称され、業とすることを禁止されている。

3.人体に害の虞の無い医療行為。
これらは、法的に放任され自由に行える。(放任医療行為)

診断は医療行為であり、医行為ばかりではなく、歯科医療、あん摩マッサージ指圧、はり灸、柔道整復、放任されている医療等においても、それぞれの医療行為の範囲内で診断は行われる。また、「診断」という用語は名称独占されているものではない。

(医療用語の問題点)
第12条(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)
何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。
ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。

と書いてあるが、多くの者は第一条に掲げるものや柔道整復が医業類似行為に含まれる、と勘違いをした。
医業類似行為の禁止規定を、あはき師法に記載するのだから、
業として行えるあはきを“除く外”と書くのは、法文としては当然なことである。
第12条 は、あはき柔と医業類似行為の包含関係を示しているものでは無い。

あはき柔を医業類似行為(広義)とか、法的に認められた医業類似行為と呼ぶのは法的に間違いであり、日常用語としても何の意味も無く、誤解を生むだけである。
また、医行為は医療行為の一部では有るが、総称としての「医療行為」という用語を、「医行為」と同義語として扱うことは、種々の誤解や問題を生じさせるので注意をしたい。