★神や運命について

(問い)人類が続く限り、神とか運命とかいう言葉は、人の心にいつまでも宿ってはなれないだろう。
実際、真摯(しんし)な努力を続けてゆく人間ほど、
自己の生涯に運命的なものを感じるのではないかと思う。
ぼくには、この世の人間の営みには人の力の及ばない何かの力が
作用しているのではないかと思えてならない。
今先生はこれについてどうお考えになるか。
(大分県 19歳)


(今氏)「おめえが、「どうも自分の力だけで生きているような気がしない」というのは、何かが「我汝らと共に在り」、そういうものの暗示を受けているわけだから、非常にいい精神と言える。
だから謙虚な気持ちで「私は誰かと共に在る」と信じろ。
それが亡き父であるか、亡き母であるか、亡き兄であるか亡き姉であるかもわからんが、常に誰かが自分を保護していると意識していることが大切だ。」

今東光 人生問答