で、23時になったんで「もういいだろ、さすがに眠い」と思い
階下に降りてトイレで用を足してトイレから出てみたら、
目の前に鬼の形相の親父が立っててさ
「こんな時間まで何してんだ……あぁ!?」って怒鳴るんだよ
「勉強してた」って答えたら「あぁ!?何だと!?」って言うから
聞こえなかったのかと思い再度「勉強してた」って答えたんだ
こっちは悪い事もやましい事も何一つ無いんだから当然だよな

次の瞬間、思い切りぶん殴られて目に火花が散ったとこまでは憶えてる
でもその後の事、一体何発殴られたのか、は全く憶えていない

気が付いたら俺は正座させられて年甲斐もなくグスグス泣いてた
婆さんも母親もその場に居る
寝てた筈の弟達も起こされて何故か正座させられてる
親父は何か得意顔で説教してたが、内容は全く理解できなかった
何故自分が殴られたのか、自分のどこに落ち度があったのか、
納得のいく説明は一切無かった
「今日コイツは俺の言う事を聞かずにこうして痛い目に遭ったが、
お前達はこれからもっと勉強をがんばらないといけない」
との理不尽極まりない、吐き気を催す様なクソみたいな説教と、
「明日の朝コイツの顔が腫れてたら学校は休ませろ」と
母親に言ったあの言葉だけは今も耳に残って離れない

翌日も婆さんはまたいつもと同じ説教
殴られた後ずっと自問自答してどうしても答えが出せなかった俺は
どうすべきだったのか婆さんが答えをくれるものと期待してたが
「お前が余計な事をしたからだよ」で終わり
母親もこの件には言及を避け、庇っても慰めてもくれなかった

大人の言う事は必ずしも正しいとは限らないんだとその時知った