冬になり、国家試験と卒業試験が近づきました。
お恥ずかしい話、私の成績は良いとは言えませんでした。
真面目にコツコツやっていたわけでもなく、試験もその場しのぎだったので。
模試の成績は合格点に全く届かず、私は成績不良者として毎日決まった時間に大学で自主勉強をしなければならなくなりました。
 試験内容は基礎と応用があり、先生曰く応用の方が配点が高いのでやればあっという間に点は上がる。
でも、基礎が固まっていないと問題が難しくなった時に柔軟に対応できず、国家試験に落ちやすいそうです。
言われた通り、私は基礎を固め続けました。
その間にも模試はあります。成績は下がることなく上がり続けましたが、基礎しかやっていないため上がり方は緩やかで、相変わらず合格点に達しません。

 そんな中、祖父が亡くなり葬式を上げることになりました。
私はまた母に言われるがまま手伝い、親戚の相手をしました。相変わらず、妹も弟もあまり積極的には手伝いません。
葬式の後、母は私の成績のことを責めました。成績不良者は大学から親に連絡が行くのです。
 私は母に基礎を学んでいること、配点の事、成績は一応上がっていることを伝えました。
母は感情的になると人の話を聞いていなかったり覚えていなかったりします。
説明したことは忘れられ、何度も責められました。
そのたびに説明するのも嫌になり、私は諦めて母の怒鳴り声や私を責める声を聞き流しました。