この頃から、祖父は体を壊し入院や施設入所をするようになりました。
実家に帰っても祖父がいないのが当たり前になっていました。
お見舞いには妹も弟もほとんど顔を出さないそうです。
私も実家に帰った時に顔を合わせる程度でした。

 大学3年の頃に、私はノンセクシャル(非性愛者)という言葉を知りました。
興味本位で調べていましたが、その内容は自分に似た所がありました。
家族には一切話していませんでしたが、高校、大学と彼氏がいたことがあります。
いわゆるダメンズと言われる人だったので、すぐに別れました。
しかし、相手を好きじゃなくなったのはダメンズが分かる前からでした。
ハグをされるのが嫌でした。キスをしたいとも思いませんでした。相手に言われ体の関係も持ちましたが、イクことはあってもそれを気持ちいいと認識しませんでした。
気付けば体に触れられるのが気持ち悪くて、生理的に相手が嫌になり顔を見るのも嫌になっていました。
 思い出してみれば、妹や弟をハグして可愛がることはあっても、私が親から抱きしめられることはありませんでした。
親は妹と弟にかかりきりで、私が甘やかされることはありません。
独り暮らしを始め、親がアパートを去って本当に一人になってしまう時、母から抱きしめられましたが違和感を感じました。
 いつからだったかは分かりませんが、私は相手が誰であっても体に触れられるのを嫌だと感じるようでした。
これでは恋愛なんて無理だな、と思うと恋人が欲しいとは全く思わなくなりました。
今でも恋人はいません。