勉強好きだった母はたくさんの医学書を持っており、小学校低学年の頃から私はその挿絵を見るのが好きでした。
そうしていると母に褒められるのも嬉しかったのでしょう。無意識のうちに、私は医療に興味を持ちました。
 そのせいだったのかは分かりませんが、この頃から私の将来なりたいものを母が貶す、ということがありました。
兄弟の面倒を見るのが好きで、子供好き→保育士さんになりたい→母「他人の子供を面倒見るほどの責任感も優しさもないあんたには向いていない」
甘いものが好き、お菓子が好き→パティシエになりたい→母「あんたは器用でもないし、修行が必要。そこまでの忍耐なんてない」
絵を描くのが好き→絵を学んで、何か芸術系の仕事に就きたい→母「そんな将来性もないものに就いてどうするの?本当に好きなことは仕事にするべきじゃない」
動物が好き→獣医とまではいかなくても、動物園の飼育員などになりたい→母「獣医はあんたの頭では無理。飼育員は動物好きでなりたい人がいっぱいいて倍率が高い。なれなかった時、どうするつもり?」
 これらの内容を、場合によっては2時間近く怒鳴られながら言われました。
そんなことをされても、母は私のためと思って言っていたのでしょうし、完全に母を信頼しきっていた私は言われるがままにあっさりとなりたいものを諦めました。
いわゆるエネミーってやつだったのだと思います。