心本(も)と無相。
言うと所の相とは、並(すべ)て是れ妄心なり。

何者(いかなるもの)か是れ妄心?
所(すべ)て意をして作(な)して心を住め、空を取り浄を取るより、
乃至(ひい)ては心を起こして菩提涅槃を証せんと求むるまで、
並(すべ)て虚妄に属す。
担(た)だ意を作すことさえ莫(な)ければ、心には自(おの)ずから物無し、即ち物心なし。
かく自性は空寂にして、空寂の体上に、自(もとよ)り本智あり、知を謂いて以って照用と為す。

(神会語録)