大森義夫『「インテリジェンス」を一匙』(選択エージェンシー、2004年)
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p.56
> 私は米国で商社員やジェトロの駐在員が米国の官憲(彼らの行動は
> 国法に照らして合法、正当であろう)に尾行され、家族ぐるみ監視され、
> 電話やインターネットを傍受されることがあるとの訴えを聞いた。

p.66
> 「与えられた条件の下で解を求めよ」というのは受験勉強だけだよ、
> 現実はまず与えられた条件を疑うことから始まる

p.69
> 情報マンはリスクをとらなくてはならない。「真実」は常に変化するのだから、
> 時には罵声を浴びてでも自らの前言を修正しなくてはならない。

p.75
> 情報には切れ味(エッジ)が必要だ。情報を語れば周辺に雑音が起きるだろう。

p.95
> インテリジェンスは砲弾の飛び交わない戦闘である。
> 国家と国民を守る戦いである。……(中略)……
> ヨーロッパ各国の歴史は自由と民主主義が不断の犠牲と戦いの上に
> 初めて守られてきたことを教えている。

p.110
> 不確実の中の確実性を高めるツールとして経験あるいは失敗の集積、
> 雑多な知識(ナレッジ)が役立つ。

p.118
> 米国の商業衛星は米国政府との契約によって「シャッター・コントロール」条項を持つ。
> つまり米軍の軍事行動は撮影しない。
> 米国の担当者は「米本土とイスラエルの上空写真は撮らせない」と言う。

p.147
> 情報の職人は特定の飼い主につくイヌ型ではなく、
> 家(この場合は国家か)につくネコ型がよい。

p.176
> カネの匂いのないところに情報は寄ってこない。……(中略)……
> 情報提供者に足下を見られたら、甘い情報をつかまされてしまう。

p.184
> どの任国でも大使館と大使館員は徹底的に監視されている……(中略)……
> 尾行や盗聴だけなら、まだましな方だ。

pp.188-189
> 屈折した体験と心情がない者は世の中の表面しか分からない。