海自によると、くろしおは、南シナ海やインド洋で長期派遣訓練中のヘリコプター搭載護衛艦「かが」など3隻と合流。
13日に護衛艦やヘリによる潜水艦の捜索訓練や、潜水艦が護衛艦に接近して攻撃する訓練などを実施した。
 くろしおはその後、3隻と別れ、17日にはベトナムの軍事要衝カムラン湾の国際港に親善目的で寄港した。
海自潜水艦のベトナムへの寄港は初めてで、南シナ海で中国との間に領有権問題を抱えるベトナムとの防衛協力の強化をアピールする狙いがある。
 中国は、南シナ海のほぼ全域を囲む形で引いた「九段線」の内側は中国の「歴史的権利」が及ぶと主張し、
近年は南沙(英語名スプラトリー)諸島や西沙(同パラセル)諸島などを埋め立てて人工島を造成。
港湾や滑走路の建設を進めており、航空機や艦艇の活動も活発化させている。
 これに対して米軍は、中国が造成した人工島の12カイリ(約22キロ)内をイージス艦などで航行する「航行の自由」作戦を繰り返し、中国軍の動きをけん制してきた。
今年に入ってからは、米ハワイで実施された多国間訓練への中国海軍の招待を取りやめ、南シナ海上空で戦略爆撃機を飛行させるなど、けん制を強めている。