「馬医」は放送中、常にありきたりで陳腐な展開から抜け出すことができなかった。
イ・ビョンフン監督の前作「ホジュン〜宮廷医官への道」(1999年)、「宮廷女官チャング
ムの誓い」(2003年)とすべてが似ていた。テーマや登場人物が違うだけで、低い身分の主人公が
あらゆる困難を乗り越え、成功するというところがそうだ。
イ・ビョンフン監督の最大の長所はディテールだ。「宮廷女官チャングムの誓い」が世界的な
成功を手にした理由は彼の繊細な演出にある。朝鮮時代の水剌間(スラッカン、朝鮮時代の宮殿
の厨房)の世界がリアルに描かれ、毎話で華麗な水剌床(スラッサン、王様の食膳)が視線を独占した。チャングムが医女になる過程も興味深かった。
「馬医」は「ホジュン〜宮廷医官への道」「宮廷女官チャングムの誓い」とストーリーラインが
非常に類似している。前作の成功をそのまま踏襲した。似たようなストーリーを繰り返すマン
ネリズムに陥ったのだ。予測が可能だというのが致命的な弱点だった。
「馬医」が楽々と視聴率20%台を突破することができなかった理由がそれだ。