インドのチャンネル4が報じたところによれば、いまインドではメヘデイという仮名の人物の発出するブログが
大反響を呼んでいるということだ。このブログへのアクセス件数は18000人だということだ。IS(ISIL)に関する
ニュースを英語で伝えているのは、このブログだけであるだけに、貴重な情報源となっている。このブログは、
ISの戦闘状況を伝えると同時に、戦闘で死亡した戦士をシャヒード(聖戦の戦死者)として称えてもいる。
そしてこのブロガーは、ISへの参加を呼びかけている。彼自身については家族的な事情から、それが出来ない
でいるということだ。家族を養わなければならない、ということであろうか。

こうしてこの情報を読んでいると、何処にでもいるIS支持者のように思えるのだが、そうではないのではないか。
実はこのブログの裏には、本格的な体制が、出来上がっているのではないか。つまり、IS側からコンスタントに
情報が伝えられ、それがタイムリーにインドで流されているということだ。

一説によれば、インドには2億5千万人ほどのイスラム教徒がいるようだが、そのイスラム教徒の富裕で
インテリな層に働きかけるということは、しかるべき成果を将来には生み出すことが予測される。
インドのイスラム教徒の中にISと呼応する人たちを集め、それが組織化して行き、その組織がインドと
周辺諸国で、ISと呼応した武力闘争を展開していくということだ。そのターゲットはインドであるかもしれないが、
ミャンマーやパキスタンであるかもしれない。しかし、一番懸念されるのは中国の新疆ウイグル地区との関連だ。

中国政府は最近、中国のイスラム教徒女性に対して、公共の場でのニカーブ(顔を隠すスカーフのようなもの)
を禁止することを決めているし、イスラム教徒と軍や治安部隊との間では、おりおり武力衝突が起こっている。
ISにしてみれば、イスラム世界に対して、中国のイスラム教徒を政府の弾圧から解放する、という大義名分が
成立する、ということであろうか。