持つ者と持たざる者の差が激しく一目瞭然、それがアメリカ社会である。
高級住宅地には、プールやテニスコートを備えた大豪邸が立ち並び、
マセラティやポルシェといった高級車が当たり前のように行き交う。
しかし、そこをちょっと離れるだけで、
全財産をリュックや自転車に積んだホームレスたちが街をさまよう光景が広がる。
画期的指導法やテクノロジーをふんだんに取り入れて世界最高峰の義務教育を行う学校がある一方、
貧困家庭やギャング抗争で授業どころではない学校が存在する。
最先端医療を求めて世界中から患者が集まる一方、10%以上の大人が健康保険に未加入で、
たとえ加入していても高額な治療費で破産に追い込まれる人が後を絶たない。
所得による住み分けも明確である。
ビクターバレーという地域は、住民の半分以上が生活保護を受けていて、
メイン通りは食事配給を待つ人々のたまり場と化していた。
それに対して、アーバイン市は、優れた公立学校で知られているため、
世界中から裕福な家族が集まり、1〜2億円する新築の家が飛ぶように売れる。
住宅街は道路から景観まで常に完璧に整備されている。
二つの地域のデータを比べると、
所得、教育水準、人種構成、職種、健康、医療などあらゆる面で対照的だ。
新型コロナはそんな格差をより浮き彫りにすると同時に悪化させている。
誰でも感染する可能性はあるが、その広がり方は極めて不平等なのだ。
ロサンゼルス郡の分析によると、住民の30%以上が貧困層の地域では、
貧困層の割合が10%以下の地域に比べて感染率が約2倍。死亡率は3倍だという。