日本人は「無為なる時間」に価値を認めない
このことはレジャーやバカンスについてもいえる
もともと「バカンス」は「大いなる空白」という意味だ

欧米人の発想では空白でなければバカンスではない
だが日本人は、バカンスといえば
スポーツか旅行か観劇か音楽鑑賞か、
何かする時間だと思っている
新聞論調にも
「休日は増えたけど依然としてゴロ寝組が多い」と
嘆かわしげに書いている
ゴロ寝こそが本当のバカンスだ
別荘でも、海岸や野山でも、
「無為なる時間」を過ごすために行くのだ、
とは思ってもみない
だから、日本人は短い休暇を勤勉に遊ぼうとする

ハワイの観光局の調査では、日本人が3泊4日でくれば、
アメリカ本土の人が2週間滞在するのと同じ額のお金を使うという
アメリカ人は海岸でブラブラして2週間過ごすが、
日本人はタクシーを雇ってあちこちを見物し、
買い物にまわり、やたらとゴルフにでかけるので、
1日当たりの消費金額は数倍になる