回路を「3D化」するインテルの新技術が、半導体の進化の常識を覆す
https://wired.jp/2018/12/18/intel-foveros-chips-breakthrough/

インテルが新しい方法を考えついた。2次元から3次元へと移行するのだ。

同社が12月12日に発表した3Dパッケージング技術「Foveros」を使うと、論理回路同士を積み重ねることができるようになる。
論理回路の上にメモリーなどをスタッキングする方法はこれまでにもあったが、インテルの新技術を使うと、CPU、GPU、グラフィックチップ、人工知能(AI)チップといった論理回路も垂直方向に増やしていけるようになるのだ。

インテルの創業者のひとりでムーアの法則を唱えたゴードン・ムーアがこの日を想像していたとは思えないが、さらにすごいことが起ころうとしているようだ。

調査会社ロペスリサーチのマリベル・ロペスは「半導体設計の概念が根本的に変わっていくはずです」と話す。

今回の発表は、これまで物理的に不可能とされていたことが可能になったことを意味する。
それだけでももちろん大きなニュースだが、一方で、3次元集積化という技術革新が何をもたらすのかという点も注目に値する。

ロペスは「デヴァイスのフォームファクタを巡っては、ほかにも興味深い物理的な挑戦が行われています。折り曲げ可能、軽量化といったことです」と言う。

例えば折り曲げることのできるスマートフォンといったコンセプトは、消費者の想像より早く実現する見通しだ。
インテルは、Foverosを採用したプロセッサーを組み込んだコンシューマープロダクトは、向こう12カ月から18カ月で市場投入されるとの見方を示している。
だが、おそらくそれまでには、サムスンの「折りたたみ式スマートフォン」が世に出ているはずだ。

また、目に見えない部分ではさらにすごいことが起こると期待されている。
インテルの新技術を使えば、それぞれのデヴァイスに必要なものだけを選んで、ICパッケージを組むことができるようになる。これにより、効率が大きく改善することは間違いない。

この技術はチップ設計の常識を根底から覆し、本当の意味での革新をもたらすだろう。ムーアの法則が再び注目を集める日も近いかもしれない。