いい加減、「大企業は悪」「中小企業は正義」みたいなアホくさい決めつけを止めないと、
この国の経済は良くならない。
個人的には今日本で一番の問題なのはメディアの劣化だと思っている。
誰がベビーフェイスで、誰がヒールか最初に決めて取材する。
基準にするのは世間の風評だ。あるいは、お茶の間のカタルシスと言っても良い。
誰を悪者に仕立てると一番大向こう受けするかばかり考えて、
真実なんてどうでも良いと考えているように見える。
これには本当に怒りを感じる。
特にひどいのは、弱者を利用して感情論に仕立てるやり方だ。
大メーカーと零細下請け。
その構図でどっちがベビーフェイスでどっちがヒールになると話が分かりやすいかは言うまでもない。
そういう世間の空気に忖度して記事が書かれ、その記事を読んだ人たちは、
それに簡単に同情して大メーカーは悪だと騒ぎ立てる。
マッチポンプというか鶏の卵と言うか。
問題は、そこで一生懸命世界と戦おうとしながら身勝手なメディアにヒールに
仕立てられる人たちのことを誰も考えていないことにある。
「弱者がかわいそうだから」という理由で、原価低減も行わず、
新技術の開発もせずに現状を維持していたら、
それでこの国が幸せになれるのかをちゃんと考えてみた方が良い。
現状維持にこだわっている間に世界は熾烈な競争をしている。
弱者のペースに合わせて待ってはくれない。